F.D.A. to Restrict Avandia, Citing Heart Risk
Avandia (rosiglitazone)はPPARγ作動を機序とした2型糖尿病治療薬として、1999年に発売(米、GSK)されて以来、2006年度に$2.5 billionの売り上げをピークとするブロックバスター薬として知られる。
さて、セールスピークを記録した直後の2007年、AvandiaにはCVリスクを高める可能性があるとの報告がなされた。この際にFDAは動かなかったが、それ以後に積もった調査報告を受けて、2010/9/23付けで以下の声明を公表。
Avandiaの処方は、他に存在する2型糖尿病では十分な効果を得られなかった患者に対してのみ許される
現在Avandiaの処方を受けている患者は、担当医師と相談の上、継続の可否を決めること
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今回のポイントは、以下の二点。
FDAとEMEAが同内容の発表を同日に行った点
Avandiaの使用を厳しく制限しながら、ラベルにWarning記載をさせるのではなく、使用の制限を明確に打ち出した事
特に二点目は、大統領の政策とも密接にリンクしているとのことで、 ブッシュからオバマ政権への移行がこのような所に影響しているのも興味深い。
また、これに対して非常に迅速な対応を取ったのが、同じPPARγ agonist作用を持つACTOS (pioglitazone)を持つ武田。
化学構造が異なる点と、CVリスクがPlacebo群と比較して上昇しないことを証明した試験(PROactive)、そして使用法を正しくプロモーションしているとの主張を材料に、問題が無いとしている。
しかしながら、このACTOSは別件、すなわち膀胱癌のリスク上昇の可能性についてFDAの再審査中。Avandiaにはこのような事例は報告されていないものの、ActosとAvandia以外の唯一のチアゾリジンジオン骨格を持つPPARγ作動薬であるRezulin(troglitazone、第一三共)もidiosyncraticな肝毒性が原因で1997-2000年の間に各国で承認取り下げとなっているため、一般の方の間で元々良いとは言えなかったPPARγ作動薬のイメージは更に低下するのは必至だと感じた。
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